SIGMA 15mm F2.8 DIAGONAL FISHEYE

 サードパーティー製だが、安心して他人に薦められるレンズ。
 APS一眼デジでは、広角が苦しいのは周知。しかし、超広角レンズは歪曲修正などがキツいため、かなり描写に問題が出易い。しかし、魚眼は歪曲を修正していないため設計がその分楽であり、歪曲が問題にならない・あるいは積極的にデフォルメ効果として利用したい・場合には一段上の描写が楽しめる。
 APSで使うと、歪曲の強い超広角レンズとして扱える。魚眼と超広角の中間的な画は、使い勝手が良い。 

 特にシグマの対角魚眼は優れものだ。
 逆光に弱いと定評があるシグマとは思えないほど逆光に強く、安心して太陽を写し込める。
 とんでもなく寄れる。最短撮影距離は15センチだが、ワーキングディスタンスは数センチである。
 ボケが美しい。
 開放から十分にシャープなので、暗い場所や高速シャッターが欲しい場合でも、そこそこ使える。

 

無敵の動体撮影能力

 飛び回る蝶のようにファインダーで捉えるのが困難な被写体は、ノーファインダーでカメラを振り回して撮るのが早道である。しかしその場合、被写体を狙い通りに収めるのは難しいしピント合わせも出来ない。
 コンパクトデジカメならともかく、被写界深度の浅い一眼デジではピンボケが量産される。だから深度を稼ごうと絞ればシャッター速度が落ち、被写体ブレする。
 しかし、魚眼の15ミリという焦点距離はコンパクトデジ並であり、余り絞らなくてもかなりピントの合う範囲が広い。また、画角があるため、どこかに被写体を写り込める確率が高い。かくして、普通では捉えられないものが撮れる。
 マニュアルフォーカスにし、レンズ前10センチ程度にピントを固定。ピントが合う距離に被写体が来るようカメラを動かす。 

 ひらひらと舞う普通の蝶と異なり、イチモンジセセリは一直線に矢のように飛ぶ。ありふれた蝶だが飛行シーンを見ればその余りの速さに驚かされるだろう。
 容易に飛行中の姿を撮れる蝶ではない。

F2.8 1/1000s
(1536*1024 1280 KB)

 アオスジアゲハほどの大きさになると、構図を考慮しながらノーファインダー撮りする余裕も生まれる。
 蝶とレンズの距離は約10センチ。思い切り近付いて撮ることで、背景も大きく写り込んだ超広角独特の画になる。
 極めて寄れるのも、このレンズの大きな魅力だ。

F2.8 1/3200s
(1536*1024 919 KB)

 人間相手の動体撮影では、目測によるマニュアルフォーカスが有効。
 被写界深度があるため、距離目盛りで適当に合わせてやれば、かなりの確率でピントが合う。撮影では、構図だけに専念すれば良く、D60のようにAF性能の悪いカメラの場合は特に助かる。
 十分に接近して撮れる場合、D60で動体は無理だろ?って評判をこのレンズ1本で粉砕できる!

 広大な空を舞うBMX・・・エアーの撮影に最適なレンズだ。非常にコントラストが高く写る。
 絞り開放における解像度にも注目したい。安心して開放撮影が出来る。
 BMX・プロ 斉藤誠二

F2.8 1/2500s
(フルサイズ 2824 KB)

 太陽をモロに入れた逆光撮影例。
 撮像素子反射によるゴーストが1つ出ているだけで、レンズ自体の逆光耐性は非常に高いことが分かるだろう。
 インラインスケート・プロ 西村大輔

F5.6 1/3200s
(1536*1024 1137 KB)

 仲間内でのスナップ写真。夜の室内で一瞬の表情を切り取るのは、D60のAFには辛い。しかしこのレンズのMFなら瞬時に合わせられる。
 ただ、開放 F2.8 ではさすがに ISO400 までの増感は必要だ。

F2.8 1/40s ISO400
(1536*1024 808 KB)

 の2人はインラインスケーター。
 手すりの上を滑るシーン。ただでさえパースの大きな超広角で、更に流し撮りすると非常に迫力と立体感が出る。しかし、全身を同時に止めることは出来ない。
 スケートの場合、流し撮りの中心を足にするか顔にするかが問題。これは手すりが1本の棒になるような撮り方。

F10 1/30s
(1536*1024 964 KB)

 魚眼にNDフィルターは装着できないため、ある程度暗くないとスローシャッターが切れない。

 室内で動体を撮る場合、大抵はフラッシュを使うだろう。
 しかし、相手が赤ん坊などだとフラッシュは論外だし、そうでなくても近距離でフラッシュを使われるとスケーターは非常に迷惑する。
 そんな時は、素直に流し撮りで迫力を出そう。

 1回転半しながら段差を飛び降りている。このシーンでは、流し撮りの中心として適切なのが目以外に無いこと、言うまでもない。

F2.8 1/50s ISO400
(1024*1536 1383 KB)

 

超広角レンズとして

 直線が直線として写らなくても構わないシーンでは、超広角レンズとして使える。
 対角魚眼15ミリの画角は、通常の14ミリより広い。だから、APS一眼では24ミリ相当ではなく、更に広角なレンズ相当になる。そのような超広角レンズはF値が2.8も無いし周辺の像流れも心配である。魚眼が最強レンズとなる瞬間だ。

 草木は魚眼の歪みが気にならないことも多い。
 上野公園の夜桜を広々と写し込んでみた。

F5.6 4s
(フルサイズ 5346 KB)

 新宿南口のライトアップ夜景。
 幻想的シーンなだけに、ビルが歪曲していても余り気にならない。

F5.6 0.6s
(フルサイズ 4696 KB)

 

戻る