改造バッテリーグリップ

 SD9では電源トラブルに悩まされた話を多く聞いたが、SD10になってもそれほど解決されていない。実用性に疑問を感じるほどトラブルだらけである。使っていて何度もキレそうになった。
 バッテリーマークが点滅してからではカメラが操作不能になるし、予防的に「くるくる」をやってられるような状況ばかりでもない。
 メーカー推薦のCR−V3を使えばトラブルは無いが、「高価な使い捨て電池なら大丈夫です」なんて話は今時通じないし、少なくとも他人に薦めるのは無理だ。

純正リチウムイオンバッテリーも発売されているが、かなり不安定だ。

電源周りが最低のデジカメ

 D60は専用リチウムバッテリー。SD10は汎用の単三電池。
 汎用電池が使えると電池が安いし入手が容易であり、好まれることが多い。しかしそれはシビアにデジカメを使ったことがないユーザーの机上の空論だと思う。はっきり言うが、電源は専用リチウム電池に限る。汎用電池が使えるメリットなど、無い!
 汎用電池だと、いざという時に電池を買って、撮影可能枚数は少なくてもシノげると良く言われる。でも、電池を買って交換してる余地もある、気軽な観光旅行などの場合にしか当てはまらない。
 撮影において「シャッターシャンス」は極めて短く、時間的制約は極めてシビアだ。それは、コンパクトデジカメにおいてさえ、電源入れてから実際にシャッターが切れるまでの起動時間が0.1秒単位で争われているのを見ても分かる。シャッターが押せるまで3秒も掛かるようなら、役立たずである。既に被写体は居なくなっている。
 それが「現実」の撮影ってものなのに、電池を買いに走るのか?

 まあ既に買ってあるとしよう。では、バッテリー交換に何秒掛かるだろう?
 D60であれば電池フタを開けてバッテリーを飛び出させ、入れ替えるだけだ。3秒で交換完了する。起動は瞬時ではないが、それでも5〜6秒の中断で撮影を続けられる。
 これに対し、SD10は電池を取り出すのもアクションが多いし、新しい単三電池を1本1本電池ホルダーにセットしなくてはならない。ほとんど火縄銃の弾込めである。「戦争」では役に立たない。
 しかも突然ローバッテリーになって「くるくる」やったり・・・それにも撮影が何秒中断される?
 電池ホルダーを複数買って電池をセットしておく手はあるが、下手すると専用リチウム充電池より専用電池ホルダーの方が高価だ。

 また、ニッケル水素電池は管理が面倒なのは周知だ。電源回りが不安だから大切な瞬間の前に新しいバッテリーに交換して、などとやりたくてもそうすると、前の電池が「使い切られないまま」になってしまう。気楽に継ぎ足し充電出来ないってのに。
 構うことはない!カメラが動かなくなるまで電池使い切ってやる!
 そう決意すると今度はSD10のバグに悩まされる。電源が無くなってバッテリーマークが点滅すると、SD10は何とストライキを起こすのだ!
 シャッター押したがカメラが反応しない。見ると、バッテリーマークが点滅している。ムカつきつつバッテリーを交換しても、SD10は動いてくれないのだ。どうやらSD9からあったバグらしい(修正しろよ!)。電池を使い切るとカメラを動かすまで手間取る上に、設定していたシャッター速度や絞りがリセットされるためそれらを再設定するまで撮影が続けられない。

 電源回りの不安定さから、多大なシャッターチャンスを逃すカメラ。それがSD10である。1秒を争うシーンでの撮影には使い物にならない。

しかし今では全く困っていない

 ふと気付くと、D60用に買ったバッテリーグリップが全く使われないまま転がっている。売り払おうかと思ったほど使っていない。当時は重目のレンズ使って縦構図で撮影するのが辛くて買ったのだが、慣れると無くても全然困らなくなり、重いだけってことで使わなくなってしまった。
 そうだ、これをSD10に使えるよう改造出来ないか?
 これが試作した改造バッテリーグリップ。
 D60用のリチウムイオンバッテリー2本を使用可能。1本だけでも動く。
 コネクターはSD10純正のパワーパックSDの端子を使うのではない。
 SD10に装着したところ。ACアダプターの端子(5V)に接続する。
 バッテリーグリップが回転しないようにするための突起がSD10に当たらないよう、SD10のバッテリーケースは抜いてある。
 左右はほぼ合うが前後は合わない。かなり前方に突き出してしまい、そのままでは持ち難い。
 そこで、少し斜めに取り付けでみた。
 D60に差すための突起を除去した後が剥き出しなので、見栄えはともかく悪天候時など内部の基板が不安。
 プラ板使って塞ぐつもりだったが、運用の結果大丈夫っぽいので放熱口として残すことにした。
 また、結局バッテリーケースに小穴を開けることにした。
 これによりバッテリーグリップを斜めに取り付ける必要が無くなり、見栄えが良くなった。↑の放熱口部分の露出も減った。更に重要なこととして、バッテリーグリップの取り付けネジが緩まなくなった。、

 SD10本体には一切手を加えていない。そのため、普通にバッテリーケースを差して汎用の単三電池を使うことも出来る。バッテリーケースの小穴は外殻だけの話で、内部への影響は皆無。
 管理が容易で安定性がある専用電池のメリットと、いざという時に入手出来る可能性が高い汎用電池のメリット。その両方をこの改造グリップで享受出来るのである★
 撮影時にはこの改造バッテリーグリップを使い、保険として別にCR−V3を持っておけば、かなり安心してSD10が使えるようになる。
 バッテリー(当然だが充電器も)をD60と共用出来るメリットも大きい。

 後で知ったが、SD10純正のバッテリーグリップは取り付けネジが緩むそうな。
 キヤノンのバッテリーグリップを改造して取り付けたらネジが緩まず、純正だとネジが緩むってをい!(大汗)
 頼むよシグマさん。レンズ以外の製造能力に疑問が・・・

 唯一の問題点は、バッテリー切れ警告が出ずに表示FULLのままバッテリー切れになること。
 バッテリー切れでSD10がハングするのまでは防げない。しかしニッケル水素で運用するストレスとは比較にならない。十分にデジカメとして許せる使い勝手になる。

改造手順

 自分はたまたまD60用が不要品になっていたので使ったが、一から用意するならキスデジ用のが軽いし BP-512 も使えるのでお薦め・・・だが左右の幅が合うかどうかなどは確認していない。
 D60用なら前後はともかく左右はピタリとSD10に合うので、見た目も自然に取り付け出来る。

 分解はまずD60に差す突起を外すことから始めた。
 リボンケーブルは縦位置ボタンの信号を送るためのもので、SD10に使う場合は無意味。取り去ってしまう。
 基本的に片っ端からネジを外せば容易に分解可能だが、何とこれが「シール」なんですね (^_^;)
 剥がすと下からネジが顔を出す。
 縦位置用のボタンやダイヤルは単なるバラストなので取り去る。
 後に開いた穴は、放熱用と考えておく。

 元々自分は縦位置での撮影でも縦位置用ボタンは使わない。

 電源出力を三端子レギュレーターに接続し電圧降下させる。出力はSD10のACアダプターと同じコネクターに接続。
 純正ACアダプターは5V1.7Aだが、使用した三端子レギュレーターは5V3Aのものである。ただ、電圧降下が2.2Vと大きめなのが残念。5V出力のためには、リチウムイオンバッテリーが7.2V以上ないといけない。

 BP-511 の初期電圧は8.2V程度、使い切ると7.4V程度なので、ほぼ問題はない。

 三端子レギュレーターは底板に取り付ける。
 出っ張りは三脚穴である。
 四角の穴はストラップ取り付け具があった場所。どうせ使わないので取り去る。
 微妙な出っ張りが邪魔なのでドリルで穴を開けて潰す。それとは別に三端子レギュレーター取り付け用の穴を開ける。
 三端子レギュレーターを取り付けてホットボンドで保護。どの程度発熱するかは未知数だが、バッテリーを下から暖めてくれる?
 縦位置用ボタン類を取り去った穴やストラップ取り付け部分だった穴を放熱用に使う。
 底板を取り付ける。
 ネジ頭が入る穴を開けたが、「シール」を元通りに貼れば隠れる。

 定石通り三端子レギュレーターの入出力にコンデンサーを追加。
 その後これもホットボンドでシールする。

 改造はあくまで自己責任でお願いします、ってのが常套句。
 メーカー保証も無くなります、ってのも常套句・・・だけどそれはD60のバッテリーグリップの話で、一応SD10本体は全くの無改造です。電池ホルダーの小穴も、内部に全く影響しない位置。

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