Sigma Photo Pro 使いこなし情報

 当たった時の画質は無敵とも言われるフォビオンセンサー。しかし、外れた時の悲惨さもまたユーザーなら知っている (^_^;)
 そこで、外れることの多い被写体と、その対策をまとめてみた。実際にはかなりの部分がセンサーではなく Sigma Photo Pro の問題であり、現像時の工夫等で対処できる。どうしようもない場合は dcx3 もお試し下さい。

 

夜景

 SD9は夜景が苦手。そういうイメージがつきまとった。SD10ではある程度解消されているが、夜の撮影で問題が多発する。しかし、大抵の場合は対策がある。 

 電飾が強烈なピンク色の光点に!
 最初は何が起きたのか分からなかった。記事全文>>

18-50mm F3.5-5.6 DC
F8.0 0.6s @23.0mm

 後日出向いてD60で撮ってみた。やっぱ夜景はD60だよな。
 雨で三脚置けないので絞りを開き、R飽和を気にするカメラでもないので十分に露光させる。
 ところが、やはり描写がおかしくなった?記事全文>>

EF24mm F1.4L
F2.0 1/8s

 肉眼で見た場合、ツリーの電飾はすべて同じ色。それがデジカメだと違って写るのは何故!?

 SPP1.1で現像すれば良いとの maro さん情報を試したところ、見事にピンクの縁取りが撲滅された!
 ただし、飽和してそうな画素は取り敢えず白で塗り潰しとけ!みたいな仕上がりでもある。

一番上と同じデータ

 

鮮やかな赤

 ベイヤーなデジカメでは赤の問題が生じることが多い。ただでさえ全画素の4分の1しか割り当てられていない上に撮像素子は赤の感度が高いことが多く、すぐに色飽和を起こす。
 これに対し、フォビオンは画素数と同じ情報を赤にも持っているし、赤は単独層(最下層)で受け取るため、非常に再現性が高い。ところが、この得意なはずの赤がSPPで現像するとベトベトに汚くなることが良くある。

 フォビオンは紅葉撮りが得意ってイメージあったけど、輝く赤は苦手なのか?
 青空バックに赤い紅葉なんて最高!と思って撮って帰ったら、仕上がりに唖然。妙にベトベト感がある。まるで普通に電飾を撮ったみたいだ。ってことはもしかすると・・・記事全文>>

20mm F1.8 DG RF
F11 1/60s

 フィルターを使わずに撮ってしまった画像でも、劇的に描写を改善する方法を発見!
 非常に効果が高いため、昼間なら殆どの被写体でシアンフィルターは不要になると思われる。記事全文>>

20mm F1.8 DG RF
F8.0 1/80s

 赤ベタ問題は dcx3 により解決しました。
 もう、フォビオンは赤が飽和して・・・なんて言わせません!

↑と同じデータ

 

問題の傾向と対策

1)微小な点光源

 ピンクの縁取りが出やすい。露出オーバー気味に撮影し、SPP1.1で現像する。Fill Light を使いたい場合はSPP2で現像したものと「明るい方」で合成すれば良い。電飾補完フィルターを補助的に使う。
 dcx3 により症状は緩和するが、完全ではない。しかし露出オーバー気味に撮ると dcx3 により劇的な改善がある。

2)イルミネーション

 要するに色付きの点光源。SPP1.1だと白塗りされてしまう。この場合、シアンフィルター (CC C50) 2枚重ねで撮影し、後からホワイトバランスで調整する。露出は適正で良い。SPP1.1現像したものとの合成や電飾補完フィルターも有効。
 カリカリにシャープに撮れていると dcx3 でも問題が出る。

3)ネオンサイン

 、などの急激な破綻が生じる。この破綻が生じる一歩手前の露出で撮る。シアンフィルターを使うと破綻限界が高くなり、より長い露出を掛けられる。最適露出は極めて狭いので、撮影結果を検討し次に活かそう。ヒットさせればデジカメ中最高クラスの仕上がりを得ることも可能。
 なお、電飾補完フィルターは一般に有害。dcx3 を使う場合はシアンフィルター不要だし露出アンダーにする必要もない。

4)赤っぽい被写体

 妙にベトベトな質感になり易い。低コントラスト現像法を使うことで改善する。
 SPPの現像時にコントラストを−2.0に設定する。結果を16ビットTIFFで出力し、別のレタッチソフトでトーンカーブ調整により絵を仕上げる。トーンジャンプを防ぐため、必ず各色16ビット以上で演算を行うソフトを使用すること。
 dcx3 が最強に得意とする被写体。あれこれ悩むより dcx3 通せば、はい終わり!

5)人肌の描写

 彩度が落ちたり黄色になったりすることが多い。
 これも、低コントラスト現像法が使える。トーンカーブの微妙な変化で肌色がかなり変わるので、自分の満足行くよう調整を重ねる。
 色温度が低い状況であれば、dcx3 でほぼ完全にトラブルが解消する。

 

シアンフィルターについて

 総じてフォビオンは色温度が低い場合や赤っぽい被写体で問題が出易い。SPPの現像でコントラストを低くすることで避けられる場合も多いが、それで対応出来ない場合はシアンフィルターを使って赤を落とすのが非常に効果的となる。
 しかし、フィルターは確実に描写に影響するし、撮影後のホワイトバランス調整も面倒。夜景では街灯の近くにゴーストが非常に出易い。何でもかんでもシアンフィルター着けて撮れば良いってものではない。無くてもちゃんと撮れる場合は、無しで撮る方が良い。また、シアンフィルターも万能ではない。
 dcx3 があればシアンフィルターは、ほぼ不要。

 

電飾補完フィルターについて

 普通にレタッチするのは何段階も必要で面倒なので、一発処理のプログラムを公開します。
 ただし作ってる時間が惜しいので、Windows の32ビット「コンソール」アプリケーションです (^_^;)
 動作確認は Windows 2000 Professional でしか行っていません。
 扱えるのは16ビットのTIFFのみです。また、TIFFには極めて多くのフォーマットがあり、対応が面倒。Sigma Photo Pro および dcx3 の吐くTIFFでは動きますが、それ以外のTIFFは動作保証できません(PhotoshopCS不可)。

実行プログラム
 x3night.exe IMG01234.tif
 のように実行します。数字部分だけを取り出したファイル名 (01234.tif) で保存されます。
 無修正の場合は何も保存しません。
 x3night.exe
 のようにパラメータ無しで実行すると、ディレクトリ内のTIFFを一括処理します。

ソースリスト
 もともと公開を意図したものではなく、自分だけで使っていたプログラム。
 そのため、「動けばいい」とばかりに超いいかげん。メモリーなんて static で取ってるし。
 気になる人は勝手に綺麗に書き換えてください。
 Visual C++ ver6.0 です。

 

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