電飾撮影 D60 vs SD10

 電飾もD60なら楽勝と思ったら、SD10ほどではないがおかしくなった。
 果たして何が起きているのか?
 撮影日やアングルが微妙に違うけど、特に酷くなっている部分をトリミングして比較。D60はRAWで撮影し、シャープネス切りで現像後ノーレタッチのデータである。
 まるで、地上の大望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡の比較映像みたいだ (^_^;)

 上から「オリジナル」「Rチャンネル」「Gチャンネル」「Bチャンネル」の順になっている。
 D60のオレンジの縁取りは滑らかだが、単にローパスフィルターでボカされているからと思えないこともない。

 

SD10 300%拡大 D60 200%拡大

 だが、RGB3原色分解されたものを見ると、SD10の異変に気付く。
 D60ではどのチャンネルも滑らかに減光している。Gチャンネルに一部おかしな部分があるが、これはベイヤー配列の補完処理によって発生した乱れと思われる。
 一方のSD10は、殆ど完璧なRチャンネルに対しやはりGチャンネルがおかしい。光点の周囲にリング状に値が急変している部分が見受けられる。 

 D60のオレンジの縁取りは被写界深度から外れた光点がボケて発生したか、レンズの色収差により発生したか・・・と思われる。一見驚くものの、ベイヤー補完を別にすれば特にデータがおかしくなっているのではない。SD10とD60で同じように画面左部分で電飾の色変化が発生しているのを見ると、電飾までの距離により光点サイズが変化することが影響している可能性が高い。

 少しボケた光点だと、光点の中心が最も明るく、周囲に行くとだんだん暗くなる。
 SD10の場合、Rチャンネルの飽和がある値になると、突然Gチャンネルが乱れるという現象が起きているように思われる。Gチャンネル周囲にリング状に異常値が並ぶのは、その部分における光点の明るさが異常を生む条件にヒットした、ってことでは?
 このリング部分はGの値が急にゼロ化し、結果としてピンク色に染まる。

 

電飾補完フィルター

 SD10で撮った電飾は余りに不自然であり、とても使い物にならない。シアンフィルターを使ったR減光作戦も、面光源のネオンならともかく点光源の電飾では実用性が無い。なぜなら電飾は極めて明るく、Gチャンネルを乱さない強さにRチャンネルを押さえ込もうとすると、余りにも露出アンダーとなり全く美しくない寂しい夜景になってしまうからだ。
 ピントを少し外して光点をボカせば劇的に改善するが、それじゃフォビオンで撮る意味はない。

 しかしここで発想を転換してみる。
 SD10の電飾が「余りに不自然」ってことは、不自然なデータだけを取り出すことも容易じゃないのか?
 つまり、「普通はあり得ない」データを取り出せば良いのだ。
 あれこれ試した結果、かなり効果的なフィルターを発見した。それは、 

Gの値が0であり、しかしRとBには両方とも値があるピクセルを異常とする。

 というものだ。RとBには値があるがGがゼロってのは、要するに紫系統である。しかし、紫の花など撮っても、Gの値が0ってことは、まずない。R飽和以外でそういうデータは極めて発生し難いのである。
 そこで、そういうピクセルを取り出し、Rの値とBの値の平均をGの値にしてみた。
 なお、SPPでの現像時には TIFF の16ビットで吐き出している。演算精度だけでなく、より正しく0を判定するためである。

ノーマル撮影 電飾補完フィルター
 初電飾撮りで唖然としたデータのトリミング(300%拡大)
Gチャンネルの比較
← フィルターで変化したピクセル
 ピンクの縁取りだけが修正され、
 他には影響を与えていない。

 ならばと、派手派手にピンク出まくった4秒露出のデータ(シアンフィルター無し)も電飾補完フィルターに通してみた。

ノーマル撮影 電飾補完フィルター

 相当に効果的である。シアンフィルターを重ねて使うと画質低下があるし扱いも面倒。フィルター無しの後処理でマトモな絵が出るのであれば、それに越したことはない。

 Gがゼロ化するピンクの縁取りには効果的だけど、青や紫の原色ネオンが飛び気味になると白く塗り潰されてしまう。また、Bがゼロになる光点黄色化には効かない。Bチャンネルにも同様の処理をすると、副作用が少しあるので。
 しかし、収差の少ないレンズを使い、絞りやシャッター速度の条件を選べば、電飾補完でいい仕上がりを得られる可能性はありそうだ。特に、露出はかなり明るく写るよう設定すると良い。異常が異常としてはっきり出るほどフィルターが効果的に働く。

諦めの悪い結論: 電飾はフィルター使って何とかなるかも?

・電飾は破綻寸前まで明るく撮って、電飾補完フィルターによる後処理。
・繁華街のネオンはシアンフィルターを付け、色トビ発生寸前の露出で撮る。

 

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