赤い紅葉がベトベトするぞ

 赤っぽい被写体が妙にベトつく写りになり易い。これはどういうことか?
 例によってRGB3原色分解でチェックしてみた。シアンフィルター出動! 

 ベトベトの紅葉にショックを受けてから6日後。ようやく雨も上がって撮影に。急速に散っている東京の紅葉だが、前回のモミジはまだ鑑賞可能な葉を残してくれていた。
 透過光に赤く輝くモミジを真下から青空バックに撮影。レンズは共に 20mm F1.8 DG RF を使用。露出は1段2/3も違う。

 

通常撮影 F8.0 1/200s シアンフィルター F8.0 1/60s
 かなりアンダーなので昼間だけど夕方っぽい。このままでもそれなりに雰囲気がある。  紅葉はアンダーだが、空は通常撮影より遙かに明るい。
 ホワイトバランスは両方とも「晴れ」で比較。
 Rチャンネルがフル活用されて良さげ。
 赤トビを起こさない最大の露出を設定したのである。
 シアンフィルターがRチャンネルを押さえ込んでいる。
 露出時間は3倍以上なので、G&Bチャンネルはフル活用されている。
 中央付近をピクセル等倍で切り出し。
 鮮やかだが妙なベトベト感が?
 こっちは自然な枯葉である。
 そう、描写は普通だが紅葉ではないな (^_^;)
 Rチャンネルの比較。相変わらずフォビオンのRチャンネルは素晴らしい。
 どんなに苦手とされる被写体でも、Rチャンネルはまず破綻していない。これはやはり、単独で取り出せるRと、分離計算の必要なG&Bという問題が関係すると見て良いだろう。
 フォビオンの問題は、中層や上層における色分離計算で発生するのだ。
 夜景では破綻することが多いGチャンネルだが、この場合はそれほど問題なさそうだ。
 しかし、通常撮影の方は少し疑問を感じる部分が無いでもない。
 何だこのBチャンネルは!?  問題なさそうだ。

 フォビオンの描写が壊れる時は、GチャンネルかBチャンネル(または両方)が壊れている。Rチャンネルは、まず壊れない。
 赤に輝く紅葉がベトベトに写るのは、赤ではなく青に問題が出ていたのである。Bチャンネルの一部が極端に階調を失っていて、それが違和感を生んでいた。
 もう一度、ヒストグラムを見て欲しい。

 普通に撮影した方は、Bチャンネルのヒストグラムに不自然なピークが発生している。紅葉が単色で塗り潰されたように見える部分である。
 シアンフィルターを使用した方には、このようなピークは存在しない。

 

仕上げ

 通常撮影した方はBチャンネルが破綻しているため、トーンカーブを持ち上げると紅葉が破綻してしまう。例え破綻しなくても青空がアンダーなため、トーンカーブ持ち上げでノイズが増えてしまう。青空にザラザラ感が出るのは、いただけない。
 アンダーのままで夕景っぽく楽しもうにも、紅葉のベトベト感はどうにもならない。

 シアンフィルターの効果を打ち消すように、SPP2でホワイトバランスを調整する。ついでに少し彩度をアップさせ、Fill Light も効かせる。
 枯葉が紅葉に変身した。圧縮されていたRチャンネルは相当に引き延ばされたが、ノイズが出ている感じはない。
 元々十分な露出があった青空の部分もノイズレスだ。
 どのチャンネルも破綻していないため、仕上がりも破綻していない。ベトつく感じのない鮮やかな紅葉が青空を背景に浮かび上がる★

 しかし、更に強烈な解決手段が存在した!

 

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